地域通貨「オルタン」
1月末に多目的スペースで地域通貨の体験会がありました。私も参加したので報告と感想を書いてみます。この試みは、以前「エンデの遺言」という映像を一緒に見た人たちが、実際に地域通貨でやり取りをしてみたら、少しはピンと来るかもしれないということで、やることになりました。ここのメンバーは実践・行動派です。
地域通貨と言っても、この日用意した貨幣はコピー用紙に「100オルタン」と印刷しただけのとっても簡単なものです。--pagebreak--あまり偽造のことなんて考えていません。最後の方はオルタンが足りなくなってしまったので、手書きの通貨も流通していました。ちなみに「オルタン」というのは、「オルタナティブ未来社会探究会」の略です。厳つい名前が可愛くなりました。
私はこの日、前の職場で買いまくってしまった経済や労働に関する本(主に新書)を20冊弱持参しました。仕事を辞めたらそれらの本を家に引き取らなくてはならなくなって、置き場に困っているのです。ブックオフなどに二束三文で売るのもなんだか悔しいし、かといって私が持ち続けていても使わない本たち。この日に集まってくる人たちが興味持ちそうな内容を選んで持って行きました。
まずは主催者から500オルタンが支給され(ベーシックインカム?)、部屋いっぱい様々なお店が開きました。私はまずは隣で売っていた美味しそうなアップルパイを100オルタンでゲット。彼はロールケーキやキムチなんかも作って来て、大繁盛。はやり食べ物は強いです。最近左肩が凝っている私は、鍼灸師の参加者に肩・首にお灸をすえてもらいました。マッサージまでしてもらって100オルタン。さらにリラックスするにはやはりお酒と、利き酒バーを出していたところで3種類のおいしいお酒をいただきました。家で余っているものを持ってきていた女性からも、キッチン用品を100オルタンでもらいました。
その他、テルミーやシンギングリン(音響ヒーリング?)や占いなどをやってもらっている人もいました。ウールのネクタイを売っている店があったので、男性陣は皆同じネクタイをしていて、ちょっと妙な感じでした。ルービックキューブやパソコンの構造を説明しますなんてお店も。その他、フリーマーケットのように家から持ってきたものがいろいろ並んでいました。
さて私の本たちですが、見事に1時間で4冊を残してすべて持ち主を見つけて去って行きました。古本を円で値段をつけて売ったら、財布の中身と相談しながらもっと慎重になってこんなになくならなかったでしょう。かといって私がプレゼントしますと言ってもなんだか相手が申し訳けなく思うかありがた迷惑がられるか…。物々交換もそんなにベストマッチするとも思いません。…と考えると、地域通貨だからこんなにものが回ったのかも! 実際私のお店だけではなく、参加者の中で実に多くのモノやサービスがめぐりました。そして「やってあげられること」「してほしいこと」リストも作成中です。
「今の円に代わる」地域通貨はかなり頑張らないと実現は難しい気もしますが、この日のオルタンはなにか円とは違うものもやり取りできる可能性を秘めているようにも思いました。そう思うとちょっとウキウキします。はてさて、出町柳発の地域通貨は巣立つのでしょうか…。続きはまた(たぶん)。
あ、次回は3月27日(日)の16時からです。お金についての勉強会もやります。興味をもたれた方はぜひ次回からご参加ください。