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お金のはなし


日曜日の夜は、多目的スペースで「エンデからのメッセージ」というイベントが開催されました。児童文学の「モモ」などで有名なミヒャエル・エンデ氏が生前に経済のあり方について問題提起をされたのですが、その番組のビデオをみんなで見て、その後に参加者の感想や考えていることを語り合いました。10人以上の参加者とお茶をすすりながら和やかに、でも刺激的な議論をすることができました。 --pagebreak--
 


 

今の経済のあり方や経済システムがなんだかおかしいと漠然と感じている人は多いのではないでしょうか。でも「経済」というと、すごく難しくて大きな問題だから、到底自分ではその問題の原因を解明したり、増してや変えていくなんて無理!と思ってしまいがちです。エンデは次のように言っています。
 

「私が考えるのはもう一度貨幣を、実際になされた仕事やモノの実態に対応する価値として位置づけるべきだということです。」
 

シンプルですよね。本来お金というのは、モノとモノ(サービス)を交換するための道具だったはず。それが今では、株式市場や先物取引、そして利子のつく融資など、本来の機能とは違う役割が大きくなっています。そして、そういったお金の動きが一部の人たちに富を集中させてしまう結果をどうやら担っているようなのです。
 

「エンデの遺言」という番組では、主にその問題の解決手段のひとつとしての地域通貨の取り組みや、マイナスの利子という考え方を紹介したりしていました。
 

参加者の中には、実際に出町柳周辺で地域通貨をつくろうとしている人たちがいたので、具体的な話にもなりました。また、今の経済のあり方に不安を感じているので自給自足ができる生活スタイルに近づける努力をしている人や、あまりお金を使わないで生きていける方法を模索している人たちもいました。実際にものをつくる人たちからは、何のためにものをつくるのかといった根源的な話も出て、どれももっと深めていきたいトピックでした。
 

私はまずは身近な地域やコミュニティで少しずつオルタナティブな経済のあり方を模索し、実践していけたらと考えています。ガラっと社会全体が変わるのはとても大変。でも、「こんな生活・仕事の仕方でも楽しく暮らしていけるんだ」ということを実践して、周りの人たちがいいなぁと思って広まっていけば、次第にそういったもう一つの経済のあり方(モノの作り方、交換の仕方、助け合い方)も見直されるのではと信じています。その一つの舞台としてかぜのねを有効活用できたらと思っています。組織に雇われるのではなく自分たちで仕事場を作り、自分の手でモノを作る人たちの作品を紹介し、地域通貨も応援したい。人と人の関係を丁寧に紡いだら、そんなにお金を介さなくても助け合っていけるネットワークが形成できるかもしれない…と、理想を思い描くのが楽しい日々です。楽しくなくちゃね。
 

このイベントには続きがあります。12月18日(土)の13時半から、「続・エンデの遺言」の番組を見ます。次は日本での地域通貨の取り組みについての番組と、世界の無利子銀行の事例などを集めた2本組みです。議論の時間も今回よりもしっかりと取れると思います。ぜひ興味のある方はご参加ください。
 

なおこのイベントで、かぜのねで購入した大きなスクリーンもデビューしました。壁一面がほとんど隠れるほどの大きさです。皆さん、このスクリーンもどんどん使ってくださいね。私は個人的に、映像を見る会を月一回くらいの頻度でやりたいなぁと思っています。参加者が見たい映像(ドキュメンタリーでも、ハリウッドの映画でも、自主制作の映像でも何でもあり)を持ち寄って、お茶やお酒を飲みながらのんびり大画面で映画を見るのって、よくないですか? こちらの企画に興味のある方は、春山までご連絡ください(haruyama(@)kazenone.org)。一緒に企画しませんか?
 

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