祝島茶会のおいしいレポート
先週の土曜日(6/19)の午後から夜にかけて、多目的スペースでは祝島茶会が開かれました。田那部工房さんが毎月かぜのねで開催して、今回で第7回目となります。今回の報告テーマは「祝島、四季の食卓」。なんだかよい予感がしませんか? 私は夜の部に参加しました。私の勘は当たります(というか、魚を焼くにおいがぷんぷんしてたし)。なんともおいしい集まりでした。--pagebreak--
この祝島茶会は山口県の瀬戸内海に面する上関町に建設予定の原発についてみんなで語り合おうということで開催されています。原発に関する集まりとは思えない和やかさで毎回テーマに沿った報告を聞いたり、語り合ったり、食べたり、呑んだり…しています。今回は、主催者のTさんが茶会直前まで上関町の中で唯一島をあげて原発建設に反対している祝島に行って、ビワや魚などを仕入れてきました。彼女は時々祝島に行ってはヒジキやビワの収穫などを手伝って、その報酬として現物をもらってきます。
この日の祝島茶会では、持ち帰ってきた魚をかぜのねの外で塩焼きにしたものや、鯛飯、ヒジキときゅうりの酢の物、あらの味噌汁、ホタルイカの塩ゆでなどをいただきました。どれも絶品です。こらえられなくなって私はエビスの瓶を開けてしまいました…。そして呑み食いしながら、参加者とともにどうしたらこのおいしい食材をこれからも残していけるのか、現地の人たちとどのように私たちが関わっていけるのかといったことを話し合いました。
祝島の人々はこれまで、島や海の恵みを取って豊かな生活を営んでいましたが、目の前に原発ができてしまったらそういった生活ができなくなってしまうことを知っています。だから町内の他の地域の人々の多くが高額の補償金をもらって建設賛成派になる中、祝島のおじいちゃんおばあちゃんたちは28年間もの間、原発建設反対の意思を示し続けました。
たぶん周りの地域の人たちも好き好んで原発を建設したいわけではないんですよね。でも過疎化が進んでしまって、もうその土地で暮らし続ける展望が見えなかったり、さみしい土地になってしまったら、気も弱くなるもんです。たぶん。もしかしたら原発で仕事もできて地域が活性化するかも知れないというかすかな望みに賭けてみたくなる気持ちもわからなくもありません。でもそれって、住民の弱みに付け込んでいやなものを地方に押し付けている電力会社と都市住民の罪が大きいような気もします。
私たちができることはたくさんあると思いますが、まずはこういった問題があることを一人でも多くの人に知ってもらって、一緒にどうするべきなのか考えていく機会を増やしたいですね。それと、おじいちゃんおばあちゃんたちの生活の糧となる生産品を私たちが購入することによって、そういった産業で充分暮らしていけるという状況を作りだすことも必要かな(今は人手が足りなくって、出荷が間に合わない状態のようですが…)。たぶんこれって、祝島だけではなくて、基地を押し付けられている土地や、過疎化している土地にも共通して言える重要な取り組みだと思います。そうしたら若い人たちだって、そこで仕事したいって思うかも。
ということで、かぜのねのカフェの棚でも近いうちに祝島のビワ茶やヒジキなどを販売できたらいいなぁと思っています。本当においしいんですよ! ちなみに祝島茶会は夏の時期少し充電をして、9月から再開すると言っていました。ぜひ皆さんもふらっとお立ち寄りください。たぶんTさんたちがビワ茶をふるまってくれますよ。