地面の下のタケノコをのばす
先週末は「かぜのね」始まって以来一番多くの人が多目的スペースに集まり食事をしたのではないでしょうか。この食事会にはAさんという女性がつなげてくれた人たちが集まりました。彼女は私と同年代で、現在闘病中のとても魅力的な人です。彼女曰く、彼女の人生の中で「ちゃんと出会ってきた」大好きな人たちが、さらにお互い出会ったらどんなにおもしろいだろうか。そういう思いが発端となって実現した集まりでした。--pagebreak--新聞記者、ライブラリアン、学生、研究者、ラーメン屋さん、公務員、NGO職員、寮母さん、ケアワーカー、鍼灸師、農家など、いろんな人たちが遠くは香港、北海道や東京などからも集まりました。
かれらはラテンアメリカの先住民の支援をしている人、関西のダム政策について取材している人、京都でピースウォークをしていた人、元「従軍慰安婦」のおばあちゃんに証言をしてもらう活動をしている人、農業をしながら日本の経済の在り方の提言をしている人など、様々な分野で活動している人たちでもあります。一見関係ない分野での活動のようですが、参加者は軽々とその分野の壁を飛び越えて話をしていました。むしろ、その違いからよい刺激やヒントをもらい、自分の活動に活かしてしまうくらいの勢いで。
分野の壁を越えていった例として、旧日本軍による元「従軍慰安婦」たちの女性国際戦犯法廷を日本の市民団体がやったことにヒントや勇気を得て、グアテマラの女性たちが戦時下の性暴力を裁く「先住民民族女性の民衆法廷」をこの3月に準備しているといった動きがあります。こういった活動を今、ラテンアメリカの問題に取り組んできた人たちと元「従軍慰安婦」の証言集会をしてきた人たちがそれぞれの立場から応援しています。彼らは彼女たちの痛みに思いを馳せて、世界から無視されがちな先住民女性の存在を地球の裏側から注視しているのです。
別に今すぐこの日の集まりから何かが生まれなくても、これから生きていく中で、そしていろんな問題に向き合っていく中で、こういった多様性のあるネットワーク(この日集まった人たちは「地面の下のタケノコ」と言っていました)はきっととても大きな意味をもつんじゃないかという漠然とした確信を持ちました。
この集まりではAさんという個人がつなげてくれた縁を堪能しました。今後も、いろんなやり方で人々が知り合って、つながっていける場に「かぜのね」がなっていけたらいいなぁと思いました。いろんな立場の友人・知人が増えたら、人生楽しくなるし、安定感も増すと思うんです。豊かに生き延びる知恵も得られるかもしれないしね。