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道和荘

 私たちが借りる前、「かぜのね」の建物は、「道和荘」という下宿屋さんでした。4.5畳の部屋が1階と2階にそれぞれ8部屋ずつありました。今も2階は原型をかなり残していますが、1階は壁をぶち抜いて大きな部屋にしてしまったので、あまり下宿屋さんだった頃の面影が残っていません。理解のある大家さんが、好きなように改築していいよと言ってくれたので、大胆に工事させてもらっています。

 そもそも、私が物件を探し始めたときに条件として考えていたのは以下の3点。

  • 出町柳の駅から近いところ
  • ある程度広い建物
  • 家賃が高すぎない

さすがの私も、この条件はかなり厳しいと自覚していました。でも、絶対この条件は譲れません。2008年の初夢は、この条件の物件が見つかって、何とか借りることができないか画策するというものだったんです。気合入っているでしょ。

 したがって、物件探しも退職予定日より半年も前の春休みに入ってすぐに取り掛かかりました。相当時間がかかるものだと観念して。ところが、運命の出会いは1件目の不動産屋で、それも最初に見に連れて行ってくれた物件であったのです。私は男性には一目惚れしない方だと思っていますが、この建物には本当にビビっときました。

 しかし、ここからが長い。実はこの時点で住民が3人いたのです。人が住んだ状態で工事はしにくい。「今日から私がこの建物を借りたので、出て行ってください」なんて都合のよい話が通るわけがありません。彼らはもう何年もこの建物で暮らしてきたのだから。法律でも住民の権利の方が有利です。正直、弁護士や賃貸契約の専門家の人たちには、もうこの建物はあきらめた方がよいと言われていました。

 だけど、私がビビっときた建物を、そんなに簡単にあきらめられるはずはありません。法律的に無理ならば、最後は住民の方たちと直接話をする他ない。正直に私たちがこれからここで何をしたいのかを説明して、彼らの言い分も聞き、お互いの妥協点を探る話し合いを重ねていけば、希望はあるのではないか、そう期待しました。実際、3人の住民は最終的には協力的でした。2人は他のアパートに移り、一人は最近までこの建物に住んでいましたが、工事の期間には協力してくださいました。

この写真は、入り口にあった階段。今は取り外してしまったので、この階段はもうありません。入り口の雰囲気もだいぶ変わりました。

 改築の設計は、元同僚の先生方にお世話になりました。建築学科の先生方にはアドバイスに乗ってもらっただけでなく、親切な工務店まで紹介していただきました。工務店に、壁の撤去、水周り、電気系統、モルタルの流し込み、そして増築などをお願いしました。

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