震災・原発事故の影響
かぜのねで毎日仕事をしているだけでも、3月の震災とその後の原発事故の影響をひしひしと感じます。東北や関東から幼い子どもを連れて避難・移住してくる方がよくカフェに来てくださいます。皆さん、新しい土地で知り合いも少ない中、できるだけ安全な生活を子どもにと、かぜのねでもお店やイベントの情報を積極的に収集しているようです。
また、妊娠中だったり小さな子どもを持っているお母さんなどは、「このお野菜やお肉はどこのもの?」と聞いてくることが多くなってきました。--pagebreak--心配ですよね…。
かぜのねの長ーい夏休みの間、私は福島県飯館村で酪農をしていた長谷川健一さんをお迎えしてお話を聞く会の企画にかかわりました。講演会やその後の交流会で聞いたお話を通して、これまで食べ物を生産するために積み重ねてきた努力が原発事故ですべて消し飛んでしまった無念と怒りをひしひしと感じました。これまで子どものようにかわいがってきた牛たちを手放す朝の話をする時、長谷川さんは「情けない」と繰り返し言っていました。はじめは言葉の意味がよくわからず聞いていたのですが、悔しそうに絞りだすその言葉に、私にもじわじわと気持ちが乗り移ってきたようでした。
まだまだ福島原発からの放射能漏れは止まっておらず、この問題の収束がどのようにつくのか想像もつきません。そんな中で、安全な食材を買い求める消費者と、生産環境が突然破壊された生産者が対立する悲しい構図には絶対にしたくありません(実際に産地偽装などの話がよくされますよね…)。反対にこんな時だからこそ、消費者と生産者がお互いのことを知り合って、信頼関係を作る機会にしたいものです。…というか、それ以外に私たちができることがまだ私もよく考えられていません。本当に、もどかしい。
今月の「かぜのね新聞」には、スタッフそれぞれが夏休みに考えたことを少しずつ書いています。こうちゃんとまどかちゃんは現地に行ってきたそうです。もしよろしければ、ぜひそちらにも目を通してみてください。