「出町柳今昔写真展」の報告です
6月末から7月初めの4日間、かぜのねの多目的スペースで昔の出町柳の写真や資料を展示しました。数週間前まで街中の10ヶ所くらいで写真を展示していたのですが、今回はそれらを1ヶ所に集めて、さらにDVDや資料なども見ることができるようにしました。このあとこれらをまとめた写真集を作成して、このプロジェクトは一段落です。
今回はメンバーのポスティングやお店へのチラシ置きの成果もあって、これまで接点のなかった地元の方々にも来ていただくことができました。--pagebreak--
昭和初めごろの地図を見ながら、この土地にはこうゆう人が住んでいて、こんな事件があったという話を何人かから聞くことができました。大雨で川が氾濫している写真なんかは、生きている牛が流されていたのをみたという方や、流される子どもを救ってスターになった人がいるなど、いろんな話が聞けました。こういった話を聞くと、その写真が何倍も奥深いものに感じられるのがおもしろいです。お話を聞いたスタッフができるだけその内容をポストイットにメモして、写真のパネルにペタペタと貼り付けて行くようにしました。そうしたら、来場された他の方もそのお話を少しは知ることができるし、何よりも貴重なお話なので、何らかの形で記録しておきたいと思ったのです。
反対に、来場者にも感想やコメントをポストイットに書いて、写真の周りに貼ってもらいました。写真を提供して下さった地域の方は口々に、「こんな古い写真、おもしろくもないですやろ」と言っておられたのですが、私たちからしたら資料価値があるだけでなく、いろんな意味で興味深い写真たちだと思いました。なので、来場者の感想を地元の方に返すことができたらと考えての試みでした。髪型に関するコメントが多かったのがおもしろかった。
最終日は呑み会もあるということで、町内会でお世話になっているご近所の方々が写真を見に来てくださいました。次々と明らかになる事実に、スタッフも興奮気味。と言ってもほとんど個人情報ですが…。「ここに写ってるのは、○○さんとこのおじさんやないか」とか「この女の子は家内ですわ」とか「柳月堂ができるまではここは靴屋の工場だったんだ」とか…。いろんな情報が出てくる、出てくる。
その後はカフェスペースの方に移って、呑み会です。呑みながらも、この地域の長老(見た目はお元気そうなので、こう書くのもためらいますが…)の人生の話が聞けて、とってもおもしろかった! 皆さん波乱万丈の人生で、このままマンガのストーリーにしてはどうかと思うくらいです。
こうやって地域の人たちから資料を集めたり話を聞いたりしていると、これまで単なる「駅前周辺」だった所が、私の中で人々のドラマの集積地に変わっていきました。どこの地域でも同じだと思いますが、かぜのねを作らせてもらった地域でその奥深さに気づくことができてとっても幸せだなぁと思います。
もちろん、地域の人たちとお話をする中で価値観の違いを認識することもありました。特に今後この地域のあり方をめぐってはその辺の違いは大きく反映されるのではないかと思います。昔から住んでいる人と今現在出町柳に関わる私たちがお互いのことを知り合いながら、ますますおもしろい地域にしていきたいですね。
昭和11年の地図。商店街がステキ!